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はじめに
頸椎症性脊髄症(cervical spondylotic myelopathy:CSM)は,加齢に伴う頸椎の変性により脊髄が圧迫され手指の巧緻運動障害や歩行障害などを引き起こす代表的な頸椎疾患である1).欧州では10万人あたり1.6人と報告されており,北米では外傷性を除く脊髄損傷の約半数がCSMに起因するとされる2).初期には保存的治療が行われるものの,23〜54%の症例が最終的に手術を受けており,特に進行例では不可逆的な機能障害が残ることも少なくない5).
一方,頸椎症性神経根症(cervical spondylotic radiculopathy:CSR)は,神経根の圧迫により上肢痛やしびれを生じる疾患で,頸椎症全体の約60%を占めるとされる4).米国では発症率が10万人あたり83.2人とされ,多くは自然軽快するため保存的治療が選択されることが多い.いずれの疾患も上肢痛などを初発症状とし,高齢化に伴い有病率は増加傾向であるが,治療戦略が大きく異なる.そのため,初診した医師が両者を的確に鑑別し,適切な時期に脊椎外科専門医へ紹介することが求められるが,非専門医にとってその判断が困難な場合も多い.また,上記疾患の診断においてはMRIが最も有用であるが,医療資源が限られる地域ではMRIの導入が難しく,そのために診断や紹介の遅れが課題となる7).
近年,深層学習の1つである畳み込みニューラルネットワーク(convolutional neural network:CNN)による画像診断支援が注目されており,医療分野での画像分類においても高い精度が報告されている8).しかし,単純X線からCSMとCSRを識別し,狭窄部位を推定する報告は少ない3).そこで,われわれは頸椎単純X線からCSMとCSRを分類し,椎間レベルごとの脊柱管面積を推定する深層学習アルゴリズムを構築し,その性能を検証した6).

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