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Spine & Spinal Cord Volume 37, Issue 6 （July 2024）

脊椎脊髄ジャーナル 37巻6号（2024年7月発行）

Japanese English

特集胸椎後縦靭帯骨化症—手術治療の進歩

胸椎後縦靭帯骨化症に対する前方進入脊髄前方除圧術（骨化浮上術） Anterior Approach and Anterior Floating Method for Ossification of the Posterior Longitudinal Ligament of the Thoracic Spine 進藤重雄 ¹ , 大谷和之 ¹ , 草野和生 ¹ , 三宅論彦 ¹ , 中井修 ¹ , 吉井俊貴 ² Shigeo SHINDO ¹ , Kazuyuki Otani ¹ , Kazuo Kusano ¹ , Norihiko Miyake ¹ , Osamu Nakai ¹ , Toshitaka Yoshii ² ¹九段坂病院整形外科 ²東京医科歯科大学整形外科 ¹Department of Orthopedic Surgery, Kudanzaka Hospital キーワード：後縦靭帯骨化症 , ossification of the posterior longitudinal ligament , 胸髄症 , thoracic myelopathy , 前方骨化浮上術 , anterior floating method Keyword: 後縦靭帯骨化症 , ossification of the posterior longitudinal ligament , 胸髄症 , thoracic myelopathy , 前方骨化浮上術 , anterior floating method pp.415-427

発行日 2024年7月3日 Published Date 2024/7/3

DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002202329

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参考文献 Reference

はじめに

　胸椎後縦靭帯骨化症（ossification of the posterior longitudinal ligament：OPLL）は発症すると進行性で重度の脊髄麻痺をきたし，保存治療は無効であることが多い．手術治療が必要であるが，胸椎は後弯であり，さらにOPLLは前方から脊髄を圧迫するため，椎弓切除などの後方からの間接的除圧術では除圧効果は不確実である．そのため，さまざまな術式が考案されているが^{1,12,18,20,30）}，標準術式となり得るものは今のところないのが現状である．胸椎OPLLの術式として，椎体，骨化巣に対し前方から進入し，骨化巣を前方から除圧する前方進入前方除圧術は合理的な手術であり，当科においては第一選択としている．本稿では，胸椎OPLLの前方進入前方除圧術の手術術式およびその手術治療成績や合併症について説明する．