胸椎後縦靭帯骨化症に対する手術治療の変遷と課題—後方除圧固定術を中心に

The Progress of Surgical Treatment for Thoracic Myelopathy Due to OPLL and Future Challenges, with Special Reference to the Posterior Decompression and Instrumented Fusion

はじめに

　胸椎後縦靭帯骨化症（ossification of the posterior longitudinal ligament：OPLL）に対する手術の難度は高い．1975年に厚生省（現・厚生労働省）がOPLLを特定疾患（難病）に指定した．同時に「後縦靭帯骨化症調査研究班」が組織され，ALL JAPAN体制での研究が開始された^24）．研究事業は1982年に「脊柱靭帯骨化症調査研究班」（本稿ではOPLL研究班と呼称する）と名称を変更し，今日まで継続している（表 1）．胸椎OPLLに伴う重度脊髄障害に対する治療法の確立は，OPLL研究班の重要課題の1つである．