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特集 脊柱靭帯骨化症UP TO DATE
頸椎後縦靭帯骨化症の手術治療
Surgical Treatment for Ossification of the Posterior Longitudinal Ligament
吉井 俊貴
1
Toshitaka YOSHII
1
1東京医科歯科大学整形外科学分野
1Department of Orthopaedic and Spinal Surgery, Graduate School of Medicine, Tokyo Medical and Dental University
キーワード:
後縦靭帯骨化症
,
ossification of the posterior longitudinal ligament
,
手術治療
,
surgical treatment
,
術式選択
,
selection of surgical approaches
Keyword:
後縦靭帯骨化症
,
ossification of the posterior longitudinal ligament
,
手術治療
,
surgical treatment
,
術式選択
,
selection of surgical approaches
pp.95-102
発行日 2020年2月25日
Published Date 2020/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201304
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はじめに
後縦靭帯骨化症(ossification of the posterior longitudinal ligament:OPLL)は,後縦靭帯が骨化することにより脊椎管の前方から狭窄をきたし,脊髄または神経根の圧迫障害をきたす疾患である(図 1).頸椎OPLLは,男女比約2:1で男性に多く,40歳以上の中高年に好発する.逆に胸椎OPLLは1:2で女性に多いことが知られている.日本では頸椎疾患の外来患者のうちX線にて1.9〜4.3%で後縦靭帯骨化を認めたという報告があり25),諸外国の報告に比べて日本もしくは東アジアに多い疾患と考えられている.近年のCTによる調査ではさらに有病率が高く,6.3%と報告されている5).ただし,一定以上の症状を有し,主に手術治療の対象となる“指定難病”登録患者は現在約38,000人であり,画像上の頸椎OPLLを有する患者の中でごく一部であると考えられる.
筆者らは2014年から厚生労働省の脊柱靭帯骨化症研究班(大川班)の事務局を担当し,頸椎OPLLを中心とした多施設臨床研究を行い,2019年10月には「脊柱靭帯骨化症診療ガイドライン2019」が発刊された23).本稿では,これらの多施設研究やガイドラインの内容も踏まえ,頸椎OPLLに対する手術治療について概説する.
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