Japanese
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特集 頭蓋頸椎移行部病変
頭蓋頸椎移行部固定術における術後嚥下障害の予防
Prevention of Postoperative Dysphagia in Occipitocervical Fusion
中矢 良治
1
Yoshiharu NAKAYA
1
1大阪医科薬科大学整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Osaka Medical and Pharmaceutical University
キーワード:
後頭骨頸椎固定術
,
occipito-cervical fusion
,
嚥下障害
,
dysphagia
,
呼吸困難
,
dyspnea
Keyword:
後頭骨頸椎固定術
,
occipito-cervical fusion
,
嚥下障害
,
dysphagia
,
呼吸困難
,
dyspnea
pp.235-240
発行日 2024年5月16日
Published Date 2024/5/16
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002202296
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はじめに
後頭頸椎固定術(OC固定術)の術後に嚥下障害が生じることがあることはよく知られている.嚥下障害は軽度のこともあるが,まったく嚥下ができなくなったり,誤嚥性肺炎を併発したり,ときに重篤な合併症となることもある.また,呼吸障害を合併することもあり,抜管後の窒息といった致死的な合併症にもなり得る.しかし,これらの重篤な合併症は,これまでに提唱されてきた留意点を熟知することで,ほぼ完全に回避できるとわれわれは考えている.近年では関節リウマチの治療の進歩により,関節リウマチに伴った破壊性頸椎病変は減少し,環軸関節亜脱臼を含めた頭頸移行部の手術症例は減少している.それに伴って合併症を経験する機会も減少しているが,なおさらOC固定術後に生じる嚥下障害を回避するための留意点をしっかりと認識しておくことの重要性は高まっている.
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