Japanese
English
臨床経験
頸椎外傷後のretropharyngeal hematomaにより気道閉塞を来した1例
Cervical Injury following Retropharyngeal Hematoma with Compromised Airway: A Case Report
鈴木 譲二
1
,
細谷 俊彦
1
,
塩田 匡宣
1
,
徳永 祐二
1
,
井幡 巌
1
George Suzuki
1
1総合太田病院整形外科
1Section of Orthopedic Surgery, Ohta General Hospital
キーワード:
後咽頭隙血腫
,
retropharyngeal hematoma
,
呼吸困難
,
dyspnea
,
頸椎外傷
,
cervical spinal injury
Keyword:
後咽頭隙血腫
,
retropharyngeal hematoma
,
呼吸困難
,
dyspnea
,
頸椎外傷
,
cervical spinal injury
pp.955-959
発行日 1992年8月25日
Published Date 1992/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900921
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抄録:頸椎外傷後に,retropharyngeal spaceに血腫を形成することはよく知られているが,これが気道を圧排し,呼吸困難を引き起こすことが稀にある.このような報告は英語文献においては十数例認められるものの,本邦においては1例の報告のみである.症例は74歳の女性で,乗用車同士の交通事故にて受傷し,項部痛,両手の軽度の痺れをを主訴に来院したものである.X線写真上,脱臼,骨折を認めず,明らかな神経学的所見を認めないため,頸部安静にて経過観察したが,徐々に頸部腫脹感,嗄声,嚥下困難,咽頭部不快感等の症状をきたしたため,受傷約4時間後緊急気管内挿管を施行した.単純X線写真,CTにて,retropharyngeal hematomaを確認後,手術的に約90gの血腫を除去した.文献的考察を交え,特徴的所見による早期診断が救命に必須であることを強調したい.
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