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特集 これだけは避けたい! 脊椎脊髄手術の重篤な合併症とその対策
頭蓋頸椎移行部固定術後の嚥下障害・呼吸障害—予測パラメータの整理と課題
Dysphagia and Dyspnea after Occipito-cervical Fusion
根尾 昌志
1
Masashi NEO
1
1大阪医科薬科大学
1Osaka Medical and Pharmaceutical University
キーワード:
嚥下障害
,
dysphagia
,
呼吸障害
,
dyspnea
,
頭蓋頸椎移行部固定術
,
occipito-cervical fusion
Keyword:
嚥下障害
,
dysphagia
,
呼吸障害
,
dyspnea
,
頭蓋頸椎移行部固定術
,
occipito-cervical fusion
pp.125-134
発行日 2025年2月25日
Published Date 2025/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091444120380030125
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はじめに
頭蓋頸椎移行部固定術(occipito-cervical fusion:OC固定術)後の嚥下障害・呼吸障害の予防のための各種パラメータについては本誌37巻4号に当教室の中矢が詳細に解説しているので,大まかな概念や実際の使い方についてはまずそちらを参考にしていただきたい13).ときに重篤となるこの合併症を防ぐためには,筆者らの提唱するOC2角9)やOEA角(occipital and external acoustic meatus to axis angle)12),Kaneyamaらの提唱するS-line6,7)が知られているが(図 1),最近の学会ではそれらが提唱されてきた経緯を理解せず,やみくもにこれらのパラメータを当てはめようとしている発表が散見される.したがって,この論文では,これらのパラメータが生まれてきた時代背景やその根拠を振り返り,読者の理解を深めたい.また,筆者らの最初の発表から17年を経過した今,発表当時には想定していなかった頸椎後弯矯正手術も一般に行われるようになってきた.それらに対して,前述のパラメータを単純に当てはめてよいのかどうかについても考察したい.それが,副題「予測パラメータの整理と課題」の意図するところである.

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