Japanese
English
論述
上位頸椎疾患に対するLuque法—特に,頭蓋・頸椎間固定への応用
Occipito-cervical Fusion with a Newly Designed Luque Rod for the Upper Cervical Lesion
戸山 芳昭
1
,
鈴木 信正
2
,
平林 洌
1
,
藤村 祥一
1
,
里見 和彦
1
,
石下 峻一郎
3
,
小林 慶二
4
Yoshiaki Toyama
1
1慶応義塾大学医学部整形外科学教室
2済生会中央病院整形外科
3社会保険埼玉中央病院整形外科
4静岡赤十字病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, School of Medicine, Keio University
キーワード:
上位頸椎疾患
,
upper cervical lesion
,
頭蓋頸椎間固定
,
occipito-cervical fusion
,
ルーケ法
,
Luque instrumentation Surgery
Keyword:
上位頸椎疾患
,
upper cervical lesion
,
頭蓋頸椎間固定
,
occipito-cervical fusion
,
ルーケ法
,
Luque instrumentation Surgery
pp.1264-1272
発行日 1989年11月25日
Published Date 1989/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908221
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抄録:Luque法による上位頸椎疾患に対する後方固定の中で,fan-shaped rodを用いた我々の頭蓋・頸椎間固定術を紹介し,その結果を含め,本法の適応ならびに有用性や問題点につき検討した.症例は,悪性疾患のA群として転移性腫瘍5例,骨髄腫1例,その他の疾患をB群として上位頸椎奇形3例,RA性環軸椎脱臼と環椎骨折各1例の計11例である,A群には骨セメントを併用したlong fusionを,B群には骨移植を行い,できるだけshort fusionとした.術後は簡単な頸椎装具のみで早期離床が可能となり,全例術前の頑固な頸部痛や麻痺症状は著明に改善した.深部感染と頭蓋内出血の合併症を各1例に生じたが,本法のもつ強固な固定力により,外固定の簡素化や整復位の保持,早期離床や良好な骨癒合が得られ,有用な手術法といえる.しかし,本法の最も良い適応は転移性上位頸椎腫瘍にあり,他の疾患に対しては特殊例を除き,その適応は慎重であらねばならない.
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