Japanese
English
特集 STOP! 脊椎脊髄外科における放射線被曝
皮膚科専門医の診断に基づく脊椎脊髄外科医の手指の放射線障害調査
Investigation of Occupational Radiation-induced Skin Injury among Spine Surgeons Based on Dermatologists' Diagnoses
浅利 享
1,4
,
六戸 大樹
2
,
佐々木 英嗣
1
,
金子 高英
3
,
和田 簡一郎
1
,
石橋 恭之
1
Toru ASARI
1,4
,
Daiki ROKUNOHE
2
,
Eiji SASAKI
1
,
Takahide KANEKO
3
,
Kanichiro WADA
1
,
Yasuyuki ISHIBASHI
1
1弘前大学大学院医学研究科整形外科学講座
2弘前大学大学院医学研究科皮膚科学講座
3順天堂大学浦安病院皮膚科
4国立病院機構弘前総合医療センター整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Hirosaki University Graduate School of Medicine
キーワード:
職業被曝による皮膚障害
,
occupational radiation-induced skin injury
,
脊椎脊髄外科医
,
spine surgeons
,
皮膚科医の診断
,
dermatologists' diagnoses
Keyword:
職業被曝による皮膚障害
,
occupational radiation-induced skin injury
,
脊椎脊髄外科医
,
spine surgeons
,
皮膚科医の診断
,
dermatologists' diagnoses
pp.571-574
発行日 2023年9月22日
Published Date 2023/9/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002202143
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はじめに
整形外科の診療において,正確な診断や安全な治療を提供するため,放射線を利用することが多い.長期に蓄積された放射線被曝はDNAを障害し,細胞障害や発がんの可能性につながると報告されており3,17),医療従事者の職業被曝は社会問題となっている16).整形外科医の発がんリスクは健常一般人に比較して5.3倍とされており,他科の医師に比較しても高い13).過去に青森県脊椎外科懇話会に所属する脊椎脊髄外科医18名を対象にして,末梢血リンパ球における二動原体染色体,環状染色体などの染色体異常頻度を調査したところ,13名に染色体異常を高頻度に認め,さらに染色体転座解析においては全員に染色体転座が認められたことが報告されており,脊椎脊髄外科医において過剰な職業被曝が生じていることが細胞レベルにおいても明らかとなっている12).
脊椎手術中や検査中の被曝量を体の各部位で測定した報告5,11,18)や,整形外科医や脊椎脊髄外科医の職業被曝に対する意識調査やその対策実施状況を調査した報告2,8)はあるが,皮膚科専門医の診断に基づき脊椎脊髄外科医の手指の放射線性皮膚障害の発生状況を詳細に調査した報告は少ない.そこで今回われわれは,脊椎脊髄外科医を対象に職業被曝に関する自己記入式アンケート調査を行い,手指の皮膚障害の自覚症状や治療歴の有無を調査することと,さらに皮膚科専門医による手指の放射線性皮膚障害の発生状況を調査することとした.
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