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特集 早期変形性膝関節症の診断と治療
血清ヒアルロン酸濃度の意義と診断ツールとしての可能性
Potential and availability of serum hyaluronan levels as a biomarker for knee osteoarthritis
佐々木 英嗣
1
,
石橋 恭之
Eiji SASAKI
1
1弘前大学大学院医学研究科,整形外科学講座
キーワード:
Serum hyaluronic acid
,
Biomarkers
,
Knee osteoarthritis
Keyword:
Serum hyaluronic acid
,
Biomarkers
,
Knee osteoarthritis
pp.263-269
発行日 2021年3月1日
Published Date 2021/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001646
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要旨:血清ヒアルロン酸(HA)濃度は変形性膝関節症(膝OA)における滑膜炎マーカーとして位置づけられているが,現状では臨床応用に至っていない。滑膜炎は膝OAの初期から末期まで存在し,その重症度はOAの進行に伴い増加することから,血清HA濃度は膝OAの全病期をモニターできる可能性がある。一方で全身性,特に指節間関節OAの影響を受けることを認識しておく必要もある。当科で行った横断的疫学調査からは血清HA濃度はX線学的重症度や膝痛の強さに相関して上昇することが明らかになった。さらに,5年間の縦断解析から予後予測マーカーとしての検討を行うと,健常膝・OA膝ともに血清HA濃度が高ければ5年間での関節裂隙狭小化率が高いことが示された。特に進行リスクに関しては血清HA濃度が51.9ng/ml以上はOA進行に関しての高リスク群となることが示された。
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