Japanese
English
症例報告
部分消退により特異な臨床像を呈した悪性黒色腫
Malignant melanoma with spontaneous regression showing an unusual clinical manifestation
松井 彰伸
1
,
金子 高英
1
,
櫻庭 裕佑
1
,
是川 あゆ美
1
,
赤坂 英二郎
1
,
滝吉 典子
1
,
六戸 大樹
1
,
会津 隆幸
1
,
中野 創
1
,
澤村 大輔
1
Akinobu MATSUI
1
,
Takahide KANEKO
1
,
Yusuke SAKURABA
1
,
Ayumi KOREKAWA
1
,
Eijiro AKASAKA
1
,
Noriko TAKIYOSHI
1
,
Daiki ROKUNOHE
1
,
Takayuki AIZU
1
,
Hajime NAKANO
1
,
Daisuke SAWAMURA
1
1弘前大学大学院医学研究科皮膚科学講座
1Department of Dermatology, Hirosaki University Graduate School of Medicine, Hirosaki, Japan
キーワード:
悪性黒色腫
,
末端黒子型
,
自然消退
Keyword:
悪性黒色腫
,
末端黒子型
,
自然消退
pp.331-335
発行日 2016年4月1日
Published Date 2016/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204713
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要約 72歳,女性.初診の約20年前に右踵部に黒色斑が出現し,徐々に拡大した.数年前から黒色斑の中心部が隆起し,同時に結節周囲より黒色斑が消退しはじめた.初診時,右踵部に鶏眼様結節があり,その周囲は肉眼的健常皮膚が全周性に取り囲み,さらに外方に黒色斑が馬蹄形状にみられた.病理組織像では,結節部および黒色斑部に一致してS100蛋白,HMB-45およびmelan Aが陽性の腫瘍細胞の増生を認めたが,健常皮膚色部では認めず,悪性黒色腫の自然消退像に矛盾しない所見であった.また消退部と黒色斑部境界に早期の自然消退像がみられ,結節部周囲より自然消退現象が波及したと考えた.自然消退部は真皮に線維化があり,メラノファージやメラニン沈着はなかったが,臨床的に脱色素斑ではなく,健常皮膚色を呈していた.足底では生理的にメラニンが乏しいことや角層が厚いことなどが自然消退部と健常皮膚との色調に差異がない理由と考えた.
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