Japanese
English
特集 脊柱靱帯骨化症研究の進歩
Ⅴ.術後評価
6.急性期脊椎脊髄損傷患者における静脈血栓塞栓症
Venous thromboembolism in acute spinal cord injury patients
和田 簡一郎
1
,
市川 奈菜
1
,
熊谷 玄太郎
1
,
工藤 整
1
,
浅利 享
1
,
石橋 恭之
1
K. Wada
1
,
N. Ichikawa
1
,
G. Kumagai
1
,
H. Kudo
1
,
T. Asari
1
,
Y. Ishibashi
1
1弘前大学大学院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Hirosaki Graduate School of Medicine, Hirosaki
キーワード:
VTE
,
DVT
,
PTE
,
spinal cord injury
Keyword:
VTE
,
DVT
,
PTE
,
spinal cord injury
pp.644-648
発行日 2018年5月25日
Published Date 2018/5/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei69_644
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は じ め に
静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism:VTE)は,急性期脊髄損傷の管理を行ううえで,肺炎,褥瘡,尿路感染症と並び予防を心がける代表的な合併症である1).American College of Chest Physicians(ACCP)は,運動麻痺を伴う脊髄損傷をVTEの高リスク群に分類している2).一方で,『日本整形外科学会症候性静脈血栓塞栓症予防ガイドライン2017』(2017年日整会ガイドライン)は,患者や医療状況の個別性を配慮した予防法を選択すべきとの考えから,2004年関連学会合同予防ガイドライン,2008年日整会予防ガイドラインで示されていた4段階のリスク分類を掲載していない3).本稿では,急性期脊髄損傷におけるVTEの疫学,リスク評価とスクリーニング,予防について当科の取り組みを紹介しながら論述したい.
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