脊柱変形A to Z 思春期の脊柱変形
手術的治療 モニタリング(日本脊椎脊髄病学会 モニタリング 委員会による多施設調査)
伊藤 全哉
1
,
松山 幸弘
,
安藤 宗治
,
川端 茂徳
,
寒竹 司
,
木田 和伸
,
齋藤 貴徳
,
小林 祥
,
和田 簡一郎
,
藤原 靖
,
山田 圭
,
山本 直也
,
里見 和彦
,
四宮 謙一
,
谷 俊一
1名古屋大学 整形外科
キーワード:
X線診断
,
質問紙法
,
術中モニタリング
,
脊柱側彎症
,
多施設共同研究
,
運動誘発電位
,
脊椎切除術
Keyword:
Radiography
,
Surveys and Questionnaires
,
Scoliosis
,
Monitoring, Intraoperative
,
Multicenter Studies as Topic
,
Evoked Potentials, Motor
pp.829-835
発行日 2013年7月20日
Published Date 2013/7/20
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013330170
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日本脊椎脊髄病学会モニタリング委員会が全国72施設に行ったアンケートの結果、モニタリング実施47施設7158例において側彎症手術で頭蓋上刺激-四肢筋肉記録法(Br-MEP)を行っていたのは606例で、そのうち年齢が思春期で術中波形変化(コントロール波形の30%以下)を呈した7例(男2例、女5例、14~16歳)について検討した。術後麻痺を生じたのは1例で、Th10半脊椎切除術における後側彎変形矯正のため骨切り術を施行し、術中消失した波形の回復はなかった。他の6例は特発性側彎症で、待機などの対処によりコントロール波形と同程度まで回復した。波形変化の程度は、術後麻痺例の4筋中2筋はコントロール波形の0%まで、残り2筋はそれぞれ10%、25%まで低下した。麻痺のない6例23筋では0~29%の範囲で低下しており、思春期側彎症におけるBr-MEPの麻痺のアラームポイントを同定することはできなかった。
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