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特集 術中脊髄機能モニタリングのUP TO DATE
頸椎後縦靭帯骨化症に対するモニタリング—頸椎症性脊髄症との比較
Efficacy of Transcranial Motor Evoked Potential for Degenerative Cervical Myelopathy
舩場 真裕
1
Masahiro FUNABA
1
1山口大学大学院医学系研究科整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Yamaguchi University Graduate School of Medicine
キーワード:
術中脊髄モニタリング
,
intraoperative neuromonitoring
,
頸椎後縦靭帯骨化症
,
cervical ossification of the posterior longitudinal ligament
,
頸椎症性脊髄症
,
cervical spondylotic myelopathy
Keyword:
術中脊髄モニタリング
,
intraoperative neuromonitoring
,
頸椎後縦靭帯骨化症
,
cervical ossification of the posterior longitudinal ligament
,
頸椎症性脊髄症
,
cervical spondylotic myelopathy
pp.105-109
発行日 2023年4月28日
Published Date 2023/4/28
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002202028
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背景
頸椎後縦靭帯骨化症(ossiffication of the posterior longitudinal ligament:OPLL)および頸椎症性脊髄症(cervical spondylotic myelopathy:CSM)は本邦の圧迫性頸髄症の主たる病因で,近年では高齢化社会を反映し本邦では治療機会が増加している.症状進行例には手術治療が有効であるが,特にOPLLでは神経合併症に注意が必要である.脊髄モニタリングは神経合併症を予防する医療安全ツールであるが,圧迫性頸髄症においては麻痺予見および神経症状悪化予防に有用か検討した報告は少なかった.過去のシステマティックレビューでは,頸椎前方手術において術中脊髄モニタリングあり群の麻痺率0.91%に対しモニタリングなし群では2.71%であったが,モダリティやアラームポイントが異なるために十分なエビデンスがあるとはいえなかった14).
日本脊椎脊髄病学会モニタリング委員会では,ベースライン波形の70%のtranscranial motor evoked potential(Tc-MEP)振幅低下をアラームポイントとすることで条件を統一し多施設前向きにデータを集積してきた6).本稿ではモニタリング委員会で得られた知見を中心に,頸椎OPLLに対する脊髄モニタリングの有用性と課題についてCSMと比較しながら述べる.
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