頸椎症性脊髄症

Cervical Spondylotic Myelopathy

はじめに

　私の診察室へようこそ！

　頸椎症性脊髄症（cervical spondylotic myelopathy：CSM）は頸髄が主に骨棘（osteophyte）により圧迫されることが原因であり，それに加えて靭帯（後縦靭帯の肥厚や骨化・黄色靭帯の肥厚や石灰化）や椎間板変性なども程度の差はあるものの圧迫に関与する．その発症の背景には，頸椎の加齢・退行変性である頸椎症だけでなく，発育性脊柱管狭窄が重要な因子として存在する．ここでは，問診・診察初見を中心にCSMの診断と鑑別疾患のポイントについて述べるが，詳細は拙著を参考いただきたい^10）．