Japanese
English
特集 術中脊髄機能モニタリングのUP TO DATE
成人脊柱変形手術に対するモニタリング
Intraoperative Neuromonitoring for Adult Spinal Deformity Surgeries
吉田 剛
1
,
松山 幸弘
1
,
後迫 宏紀
1
Go YOSHIDA
1
,
Yukihiro MATSUYAMA
1
,
Hiroki USHIROZAKO
1
1浜松医科大学整形外科
1Department of Orthopedic surgery, Hamamatsu University School of Medicine
キーワード:
経頭蓋刺激運動誘発電位
,
transcranial motor evoked potentials
,
成人脊柱変形
,
adult spinal deformity
,
神経合併症
,
neurological complication
Keyword:
経頭蓋刺激運動誘発電位
,
transcranial motor evoked potentials
,
成人脊柱変形
,
adult spinal deformity
,
神経合併症
,
neurological complication
pp.99-103
発行日 2023年4月28日
Published Date 2023/4/28
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002202027
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はじめに
変形矯正手術に伴う神経合併症は,脊柱変形を扱う脊椎外科医が最も危惧する合併症の1つである.小児側弯症ではその発生率は1%未満である一方,高齢者に多く発症する成人脊柱変形の術中神経障害発生率は11〜23%と高率である1〜3).術中脊髄モニタリングは神経障害を未然に予知し,その予防に効果があるとの報告がある.中でも経頭蓋刺激運動誘発電位〔transcranial electrical stimulation motor-evoked potentials:Tc(E)-MEPs〕はその運動障害の予測において感度,特異度ともに高く,脊椎脊髄手術を施行する手術室で広く普及している1〜3,5).成人脊柱変形は,構築性および代償性の脊椎アライメント異常に,変性疾患を土台とした神経症状を術前より呈している患者も多い.もともと脊柱管狭窄や椎間孔狭窄が存在しているため,矯正操作で容易に狭窄が進行し神経症状が悪化することも考えられる4〜6).また,術中操作も矯正のみならず,骨切り,椎弓切除や神経根の除圧,椎体間固定を必要とするなど高侵襲で煩雑な手技を要する.したがって,術中に神経障害を感知するTc-MEPsのアラームがどのタイミングで出現し,どのようなレスキュー操作が必要か理解しておくことは,成人脊椎矯正手術で神経障害を術中に予防するためにきわめて重要である.
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