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特集 脊椎脊髄疾患に対する分類・評価法
第1章 頸椎
頸椎症性脊髄症における服部の分類
Hattori's Classification for Cervical Spondylotic Myelopathy
田口 敏彦
1
Toshihiko TAGUCHI
1
1山口労災病院
1Yamaguchi Rosai Hospital
キーワード:
頸椎症性脊髄症
,
cervical spondylotic myelopathy
,
分類
,
classification
,
病態進行度
,
stage of clinical condition
Keyword:
頸椎症性脊髄症
,
cervical spondylotic myelopathy
,
分類
,
classification
,
病態進行度
,
stage of clinical condition
pp.256-259
発行日 2020年4月25日
Published Date 2020/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201344
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はじめに
頸椎症性脊髄症の発生機序については,古くから数多くの説が報告されているが,大別すると機械的圧迫障害説と血行障害説とに分けることができる.機械的障害説には,椎間板膨隆・骨棘,椎弓・関節突起の肥大,黄色靭帯の肥厚・膨隆,脊柱菅狭窄,pincer mechanismなどが挙げられる.血行障害説では,前脊髄動脈の障害,根動脈の障害,脊髄周囲血行障害,脊髄内血行障害や交感神経障害などが挙げられる.これらの中で服部は,基礎的,臨床的な研究に基づき,本症の発生機序として,機械的圧迫と血行障害の両者によるものとした.すなわち,脊椎管狭小を基盤として脊椎症性変化で静的に脊髄を圧迫されている状態で,頸椎の運動による動的圧迫が反復して加わり,その圧迫応力が脊髄内の障害をもたらすとともに,脊髄内血行を障害し脊髄症を発症させると考えた.そして,脊髄の障害域について圧迫応力の原則に基づき,服部の分類を提唱した2).
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