Japanese
English
Lecture
成人脊柱変形治療の術前プランニング—合併症予防を主としたスライディングスケール
Surgical Planning for Adult Spinal Deformity: Sliding Scale for Preventing Preoperative Complication
吉田 剛
1
,
松山 幸弘
1
Go YOSHIDA
1
,
Yukihiro MATSUYAMA
1
1浜松医科大学医学部整形外科学
1Department of Orthopaedic Surgery, Hamamatsu University School of Medicine
キーワード:
成人脊柱変形
,
adult spinal deformity
,
合併症
,
complication
,
スライディングスケール
,
slidingscale
Keyword:
成人脊柱変形
,
adult spinal deformity
,
合併症
,
complication
,
スライディングスケール
,
slidingscale
pp.809-815
発行日 2018年9月25日
Published Date 2018/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408201172
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諸言
高齢社会に伴い成人の脊柱変形患者が整形外科領域で外科的治療を受ける機会が増加傾向にある.高齢者の脊柱変形は若年者の側弯変形と異なり,術前の併存疾患を有し,変形に伴う症状と神経症状を合併することもしばしば見受けられ,患者の健康関連QOLが障害されている1,2).成人脊柱変形に対する手術治療は保存治療と比べQOL改善に有利である一方で,手術自体の手技が複雑で手術時間も長く,周術期合併症が一番の懸念事項となる3-5).
もちろん患者,家族に手術の限界と起こりうる周術期合併症について説明しておくことは重要である.合併症が生じれば患者の回復は遅れ,入院期間は延長し,高齢者の心肺機能低下から生命予後にも影響を与える可能性がある.最近,周術期合併症のリスクファクターとして患者の年齢,既往歴,併存症,内服歴,American Society of Anesthesiologist (ASA)score,椎体骨切りなどの手術侵襲が報告されている.しかし多くの合併症に関する報告はそのリスクファクターの検討であり,実際に合併症を予防する対策について述べているわけではない.そこで今回われわれは合併症を予防するために,簡便で利用しやすいスライディングスケールを作成し,それが実際の合併症予防に有効かを検証した.
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