Japanese
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特集 側方進入腰椎椎体間固定術(LLIF)—手術手技,成績,合併症
成人脊柱変形手術—LLIFの果たす役割
The Role of LLIF in Surgical Treatment of Patients with Adult Spinal Deformity
大和 雄
1
,
松山 幸弘
1
Yu YAMATO
1
,
Yukihiro MATSUYAMA
1
1浜松医科大学整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Hamamatsu University School of Medicine
キーワード:
成人脊柱変形
,
adult spinal deformity
,
側方進入腰椎椎体間固定
,
lateral lumbar interbody fusion
,
脊椎固定術
,
spinal fixation surgery
Keyword:
成人脊柱変形
,
adult spinal deformity
,
側方進入腰椎椎体間固定
,
lateral lumbar interbody fusion
,
脊椎固定術
,
spinal fixation surgery
pp.909-916
発行日 2017年10月25日
Published Date 2017/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200722
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はじめに
脊柱変形は成人期,特に高齢者において,健常人や慢性疾患罹患患者に比べても重度のQOL低下を引き起こすことが報告されている2,6).近年,超高齢社会を迎えるとともに,活動的に生活できる期間である健康寿命の概念が定着しつつある.また,手術手技をはじめとした医療技術の進歩により,高齢者の脊柱変形に対する手術が可能になり,手術症例が増えている.しかし,成人脊柱変形に対する手術加療の大きな問題の1つは高い合併症発生率である12).特に高齢者では全身的併存症が多く,全身的予備能の低下,骨脆弱性などがあり,合併症発生の原因となっている.その中でも,高齢者に行う手術としては手術侵襲が非常に大きいことが問題であった.
ところが,成人脊柱変形に対する手術療法はlateral lumbar interbody fusion(LLIF)の出現に伴って大きく変わってきている.LLIFは側方アプローチから大きなケージで直接的に椎体間を開大するために,側弯の矯正や前弯の形成と間接的な脊柱管や椎間孔の除圧が同時に可能である.また,臓器損傷や血管損傷が生じる危険性はあるものの,術中出血量は少なく低侵襲な術式である.そのため,まず変性後側弯症の手術に用いられるようになった1,3,7).われわれも2014年から成人脊柱変形に対してLLIFを併用した二期的矯正固定術を施行している14).本稿では,成人脊柱変形に対するLLIFの適応および今後の展望について述べる.
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