神経根性疼痛や椎間板性腰痛に対する抗サイトカイン療法

Spinal Nerve and Intradiscal Infiltration Using Anti-cytokine Inhibitor

はじめに

　腰椎椎間板ヘルニア，腰部脊柱管狭窄症における神経根障害の臨床症状として，下肢痛，しびれ，間欠跛行，ときにこむら返りがある．また，椎間板変性はときに難治性の腰痛を惹起する．基礎臨床的検討から，その病態の主体としてinterleukin（IL）-1，IL-6，tumor necrosis factor alpha（TNF-α）の関与が示唆されている．われわれは関節リウマチで使用されるこれらの阻害薬である生物製剤を腰痛疾患に応用した．本稿では，神経根性疼痛や椎間板性疼痛の基礎科学のレビューとこれらの阻害薬の臨床試験の結果について述べたい．