Japanese
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特集 ついに始まった頸椎人工椎間板置換術
椎間板疾患治療の将来
Future Perspectives in Treating Intervertebral Disc Disease
酒井 大輔
1
Daisuke SAKAI
1
1東海大学医学部外科学系整形外科学
1Department of Orthopaedic Surgery, Tokai University School of Medicine
キーワード:
再生医療
,
regenerative medicine
,
椎間板
,
intervertebral disc
,
細胞治療
,
cell therapy
Keyword:
再生医療
,
regenerative medicine
,
椎間板
,
intervertebral disc
,
細胞治療
,
cell therapy
pp.943-948
発行日 2019年10月25日
Published Date 2019/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201236
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はじめに
このたび,ついに頸椎人工椎間板置換術が本邦で実施可能となった.当院でもすでに11例に施行し1年が経過したが,その短期成績は良好である.これまで日本の脊椎外科医は国際学会における頸椎人工椎間板のセッションでは積極的な議論に参加できず,残念な思いをしてきただけに,その喜びと期待も大きい.一方,先進国としては最後の市場開放であり,すでに長期成績をまとめたメタ解析1)やシステマティックレビュー3)も報告されていることから,時すでに遅しの感も否めないが,日本独自の臨床,研究力を生かし,人工椎間板置換術の適応,限界に新たな知見が提供されるものと考える.
一方,現在承認されている人工椎間板の可動性の限界,緩衝作用の欠如,隣接椎間への影響,人工物の耐用年数を考慮すると,椎間板本来の機能的修復を促す,生物学的治療の必要性は依然求められる.本稿では,腰椎においてすでに臨床治験が開始されている椎間板再生医療の現状と頸椎疾患への適応の可能性につき言及する.
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