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特集 椎間板―基礎と臨床(第22回日本脊椎外科学会より)
変性椎間板におけるbFGFの作用―動物モデルを用いた解析
Basic Fibroblast Growth Factor in the Rat Degenerated Intervertebral Discs
永野 隆
1
,
宮本 紳平
1
,
米延 策雄
2
,
小野 啓郎
2
Takashi Nagano
1
1大阪大学医学部整形外科学教室
2関西労災病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Osaka University Medical School
キーワード:
塩基性線維芽細胞増殖因子
,
basic fibroblast growth factor
,
椎間板
,
intervertebral disc
,
変性
,
degeneration
,
細胞増殖
,
cell proliferation
Keyword:
塩基性線維芽細胞増殖因子
,
basic fibroblast growth factor
,
椎間板
,
intervertebral disc
,
変性
,
degeneration
,
細胞増殖
,
cell proliferation
pp.363-368
発行日 1994年4月25日
Published Date 1994/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901336
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抄録:塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)は培養椎間板細胞の増殖・基質合成を促進するという報告がある.では,このbFGFは椎間板の変性時にも実際に作用し,病態に関与しているのであろうか? この点を明らかにする目的で,我々はラット椎間板においてbFGFを有する細胞およびFGF受容体(FGF-R)遺伝子を発現している細胞を検索し,かつそれら陽性細胞の増殖能を調べた.その結果,変性椎間板の内部(正常椎間板では線維輪に相当する位置)にはbFGFを産生しかつFGF-RmRNAを持つ軟骨細胞(正常時にはなかった)が存在し,その軟骨細胞は正常椎間板で同じ位置に存在する細胞(正常線維輪細胞)よりも旺盛に増殖していることがわかった.培養椎間板細胞に対するbFGFの既知の作用をこのモデルにも敷衍し得るならば,この結果は椎間板変性病態へのbFGFの関与を示唆するものである.
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