Japanese
English
特集 脊椎脊髄疾患に関連する痛みのメカニズム
椎間板性疼痛
Discogenic Low Back Pain
大鳥 精司
1
,
西能 健
1
,
佐藤 淳
1
,
折田 純久
1
,
稲毛 一秀
1
,
山内 かづ代
1
,
鈴木 都
1
,
久保田 剛
1
,
青木 保親
1
,
古矢 丈雄
1
,
国府田 正雄
1
,
宮城 正行
2
,
井上 玄
2
Seiji OHTORI
1
,
Takeshi SAINOH
1
,
Jun SATO
1
,
Sumihisa ORITA
1
,
Kazuhide INAGE
1
,
Kazuyo YAMAUCHI
1
,
Miyako SUZUKI
1
,
Go KUBOTA
1
,
Yasuchika AOKI
1
,
Takeo FURUYA
1
,
Masao KODA
1
,
Masayuki MIYAGI
2
,
Gen INOUE
2
1千葉大学大学院医学研究院整形外科学
2北里大学整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Graduate School of Medicine, Chiba University
キーワード:
腰痛(low back pain)
,
神経(nerve)
,
慢性(chronic)
Keyword:
腰痛(low back pain)
,
神経(nerve)
,
慢性(chronic)
pp.611-617
発行日 2017年6月25日
Published Date 2017/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200651
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椎間板性腰痛の臨床像
椎間板性腰痛の頻度,年齢を検討した論文は少ない.慢性腰痛患者へのブロック注射から得られた知見からは,疼痛発生部位の可能性として,椎間板39〜41%,椎間関節15〜32%,仙腸関節13〜18.5%と報告された10,11,23).年齢分布では,椎間板性腰痛は椎間関節,仙腸関節由来より低いとされ,36〜47歳と考えられている23).椎間板性腰痛の症状として,前屈時の腰痛悪化がその指標とされる.椎間板腰痛の理学所見はどのようなものであろうか? 当院で1997〜2014年の17年間に椎間板造影(後半は椎間板ブロックも併用)にて椎間板性腰痛と診断され,前方固定術,後方固定術,前後合併固定術のいずれかを施行された87名を対象とした.術前と比較し60%以上の改善が得られた患者群を概ね成績良好とし椎間板性腰痛と仮定し,後ろ向きに術前の臨床症状を検討した.腰痛の性状として,常時腰痛90%,立位腰痛増強35%,座位腰痛増強65%,前屈時増強65%,後屈時増強35%であり,多彩な症状を呈することが判明した.本研究の結果より,後屈時腰痛もあり,椎間板性腰痛の症状が多彩であることが考えられた15).
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