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特集 椎間板―基礎と臨床(第22回日本脊椎外科学会より)
椎間板の水拡散および基質合成能と力学的ストレス
Effects of Mechanical Stresses on Water Diffusion and Matrix Synthesis in the Intervertebral Disc
大島 博
1
,
石原 裕和
1
,
寺畑 信男
1
,
平野 典和
1
,
長田 龍介
1
,
辻 陽雄
1
Hiroshi Ohshima
1
1富山医科薬科大学整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Toyama Medical and Pharmaceutical University
キーワード:
水拡散
,
water diffusion
,
基質合成
,
matrix synthesis
,
椎間板
,
intervertebral disc
,
力学的ストレス
,
mechanical stress
Keyword:
水拡散
,
water diffusion
,
基質合成
,
matrix synthesis
,
椎間板
,
intervertebral disc
,
力学的ストレス
,
mechanical stress
pp.351-356
発行日 1994年4月25日
Published Date 1994/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901334
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抄録:さまざまな力学的ストレス環境下での椎間板の水の拡散および基質合成を検討した.椎間板に必要な栄養物質の流入,老廃物の排出は主に拡散によるが,物質の移行に重要な椎間板の水の拡散は種々の力学的ストレスにより変化する.すなわち過度の圧縮荷重は主として髄核組織の水の拡散を抑制し,振動負荷は逆に促進させるが,牽引負荷は外層線維輪を除いては大きな影響を与えない.プロテオグリカン合成能は長時間の過度の静的あるいは振動荷重により抑制される.それは荷重に伴う椎間板内圧の亢進,振動による散逸エネルギーの吸収による椎間板細胞周囲環境の変調に基づくと考えられる.牽引負荷の椎間板基質合成能に及ぼす影響は圧縮,振動負荷に比べると少ない.以上より長時間あるいは繰り返しの過度の力学的ストレスは椎間板の基質合成を抑制し,基質含量の低下から椎間板変性を導く可能性があるとみられる.
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