Japanese
English
特集 脊椎骨粗鬆症性椎体骨折に対する治療戦略—薬物療法を中心にUP TO DATE
痛みの治療
Pain Treatment
稲毛 一秀
1
,
折田 純久
1,2
,
江口 和
1
,
志賀 康浩
1
,
古矢 丈雄
1
,
牧 聡
1
,
大鳥 精司
1
Kazuhide INAGE
1
,
Sumihisa ORITA
1,2
,
Yawara EGUCHI
1
,
Yasuhiro SHIGA
1
,
Taketo FURUYA
1
,
Satoshi MAKI
1
,
Seiji OHTORI
1
1千葉大学大学院医学研究院整形外科学
2千葉大学フロンティア医工学センター
1Department of Orthopedic Surgery, Chiba University Graduate School of Medicine
キーワード:
腰痛
,
low back pain
,
骨粗鬆症
,
osteoporosis
,
治療
,
treatment
Keyword:
腰痛
,
low back pain
,
骨粗鬆症
,
osteoporosis
,
治療
,
treatment
pp.1105-1110
発行日 2020年12月25日
Published Date 2020/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201551
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はじめに
骨粗鬆症患者で最も骨折が多発する部位は椎体であり,年間140万人に新たな脆弱性椎体骨折が発生していると報告されている5).脆弱性椎体骨折を受傷すると,強い疼痛による著しいADL低下(活動制限とそれに伴う廃用)が必発である.さらに,Quality of Life Questionnaire of the European Foundation for Osteoporosis(QUALEFFO)を用いて調査した報告では,脆弱性椎体骨折があると身体機能のみならず,社会機能,全体的健康観までもが低下するとも報告されている27).つまり,その影響はQOL低下にまで及ぶといえる.したがって,疼痛のみならずADLおよびQOLの観点からも脆弱性椎体骨折に対する適切な治療介入が重要なのはいうまでもない.そこで本稿では,脆弱性椎体骨折に対する痛み治療のストラテジーについて,① 一般的な腰痛治療の観点,② 脆弱性椎体骨折特有の観点といった2つの面から概説する.
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