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特集 低侵襲脊椎手術の功罪
骨粗鬆症を有する仙椎外傷(脆弱性骨盤輪骨折)に対する低侵襲手術の功罪
The Pros and Cons of Minimally Invasive Surgery for Fragility Fractures of the Pelvis
伊藤 康夫
1
,
瀧川 朋亨
1
,
森田 卓也
1
,
大森 貴夫
1
,
金澤 智子
1
Yasuo ITO
1
,
Tomoyuki TAKIGAWA
1
,
Takuya MORITA
1
,
Takao OHMORI
1
,
Tomoko KANAZAWA
1
1神戸赤十字病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Japanese Red Cross Kobe Hospital
キーワード:
脆弱性骨折
,
fragility fracture
,
仙椎骨折
,
sacral fracture
,
低侵襲手術
,
minimally invasive surgery
Keyword:
脆弱性骨折
,
fragility fracture
,
仙椎骨折
,
sacral fracture
,
低侵襲手術
,
minimally invasive surgery
pp.631-639
発行日 2023年3月10日
Published Date 2023/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201915
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はじめに
高齢化社会を迎え,高齢者人口の増加とともに,高齢者の社会活動参画の増加により高齢者外傷も増加している14).
外傷は,いつ,どこにおいても発生し得る傷病であり,誰でも受傷する危険性がある.外傷に対する急性期治療の基本は,可及的早期に受傷前の状態に再建し,機能回復のためのリハビリテーションへとつなげることである.さらに,これら一連の流れが,低侵襲に遂行されることが理想的である.
骨粗鬆症に伴う椎体骨折は,通常保存治療が選択され,保存治療抵抗例,遷延癒合・偽関節例,高度な脊柱変形例などに再建手術が適応となる.
近年,骨粗鬆に伴う仙椎骨折(脆弱性骨盤輪骨折,fragility fracture of the pelvis:FFP)の報告が増加傾向にあり注目されている.高齢化社会の到来による骨粗鬆症患者の増加とCT・MRIなどの機器の普及により診断率が上昇したことが挙げられる2,3).
本邦においてのFFPの全国的な疫学調査は行われていないが,高齢者の増加と機器の高い普及率から,今後も増加傾向にあると考えられる.本稿では骨粗鬆症を有するFFPに対する低侵襲手術の適応と限界・課題について述べる.
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