Japanese
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特集 低侵襲脊椎手術の功罪
筋温存型選択的椎弓切除術の特長と限界
The Pros and Cons of Muscle-preserving Selective Laminectomy
青山 龍馬
1
,
白石 建
1
,
髙橋 勇一朗
1
,
松本 將吾
1
Ryoma AOAYAMA
1
,
Tateru SHIRAISHI
1
,
Yuichiro TAKAHASHI
1
,
Shogo MATSUMOTO
1
1東京歯科大学市川総合病院整形外科
1Department of orthopaedic, Tokyo Dental College Ichikawa General Hospital
キーワード:
筋温存
,
muslce-preserving
,
椎弓切除
,
laminectomy
,
頸椎
,
cervical spine
Keyword:
筋温存
,
muslce-preserving
,
椎弓切除
,
laminectomy
,
頸椎
,
cervical spine
pp.641-649
発行日 2023年3月10日
Published Date 2023/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201916
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筋温存型選択的椎弓切除術の原点
筋温存型選択的椎弓切除術(muscle-preserving selective laminectomy:SL)は,筋肉を温存し,除圧高位を選択的に切除することで手術侵襲を低減させる術式である.本法は,左右の深層伸筋の正中間隙を鈍的に拡大し,頸椎棘突起を筋付着部を温存したまま縦割する,その進入法19,20)に独創性がある.これによって,痛みが出現しやすい棘突起の筋付着部を温存し(表 1),筋実質への損傷を回避できるため,頸椎椎弓形成術ならばとかく問題とされる,術後の項部痛を軽減させることができる.除圧範囲選択に至った背景には,SL開発以前から行われていた椎弓形成術の,C3〜C7を連続除圧する画一性に対する疑問があった.頸椎前方除圧固定術では当初から狭窄高位のみを除圧固定していたのに対し,後方除圧術ではなぜ全高位を除圧する必要があるのかという疑問である.後方除圧術でも同様に,狭窄高位のみを選択的に除圧することで手術の低侵襲化に寄与できると考えた.
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