Japanese
English
特集 癒着性くも膜炎の病態と治療法を学ぼう
術後に生じる癒着性くも膜炎
The Management of Postoperative Spinal Adhesive Arachnoiditis
西村 由介
1
,
永島 吉孝
1
,
齋藤 竜太
1
Yusuke NISHIMURA
1
,
Yoshitaka NAGASHIMA
1
,
Ryuta SAITO
1
1名古屋大学脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Nagoya University School of Medicine
キーワード:
術後癒着性くも膜炎
,
postoperative spinal adhesive arachnoiditis
,
髄液還流
,
cerebrospinal fluid circulation
,
シャント手術
,
shunt surgery
Keyword:
術後癒着性くも膜炎
,
postoperative spinal adhesive arachnoiditis
,
髄液還流
,
cerebrospinal fluid circulation
,
シャント手術
,
shunt surgery
pp.99-105
発行日 2022年6月24日
Published Date 2022/6/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201799
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はじめに
脊髄癒着性くも膜炎(spinal adhesive arachnoiditis:SAA)は髄膜炎,外傷性脊髄損傷,くも膜下出血後,脊髄造影検査後などのさまざまな原因で生じる1,10)が,頭蓋内,脊髄脊椎などの中枢神経の手術後にも少なからず発生する.ひとたび症候性になると,難治性のしびれや痛み,進行性の麻痺の原因となることがあり,治療には非常に難渋することが多い.しかし,脊髄脊椎疾患の治療に携わる者にとっては術後の合併症の1つとして,避けて通れない疾患であり,その病態,診断,治療の知識は重要である.治療の判断においては十分な病態と画像所見の理解が必要であり,髄液動態や血液循環動態なども考慮しなくてはならない.本稿では,術後に生じるSAAの病態,画像の特徴から治療選択について解説する.
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