Japanese
English
特集 脊椎脊髄疾患の再手術症例における手術のコツと留意点
頸椎症における再手術
Revision Surgery for Recurrence of Cervical Spondylosis
西村 由介
1
,
永島 吉孝
1
,
齋藤 竜太
1
Yusuke NISHIMURA
1
,
Yoshitaka NAGASHIMA
1
,
Ryuta SAITO
1
1名古屋大学脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Nagoya University
キーワード:
頸椎症
,
cervical spondylosis
,
頸椎前方除圧固定術
,
anterior cervical decompression and fusion
,
椎弓形成術
,
laminoplasty
Keyword:
頸椎症
,
cervical spondylosis
,
頸椎前方除圧固定術
,
anterior cervical decompression and fusion
,
椎弓形成術
,
laminoplasty
pp.896-901
発行日 2022年3月31日
Published Date 2022/3/31
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201765
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はじめに
頸椎症,頸椎椎間板ヘルニアによる神経根症,脊髄症に対して,主に頸椎前方除圧固定術(anterior cervical decompression and fusion:ACDF)と頸椎椎弓形成術(laminoplasty:LP)が行われている3,5,8).いずれの手術も確立された術式であり,術後成績も非常に良好であるとされる.しかし,病態に応じた正しい手術治療法を選択し,初期治療効果が良好であっても,その後経時的に変性が進行して再発が起こり,再び神経症状が悪化する可能性がある6,7).そして,再発した頸椎変性疾患に対する再手術は,初回手術に比べて格段に困難であることが多い.脊椎は運動器であり,経時的に必ず変性が進行することを考えると,脊髄脊椎外科医は再発疾患に対する十分な知識と治療のための手術手技を身につけておく必要があるが,手術手技を身につけても,初回手術よりもリスクが高くなることは間違いない.再手術を要する病態を正確に評価し,柔軟に前方,後方のアプローチを使い分けることが必要となる.すなわち,あえて同じアプローチで行くのか,別のルートからの手術を考慮するのかという術前の検討が何よりも重要であるということである.手術計画を立てるときには,最大の治療効果を得ることを目指すべきではあるが,最も優先されることはいかに合併症のリスクを低減させるかということである.
本稿では,頸椎症に対して最も一般的に行われているACDF,LP術後の再発例の病態,手術手技のポイントについて述べる.
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