Japanese
English
臨床経験
梅毒性と考えられた胸髄癒着性くも膜炎の1例
Adhesive Spinal Arachnoiditis of Which Cause in Suspected by Syphilis: A Case Report
呉 世昌
1
,
宮本 達也
1
,
野口 昌彦
1
,
大友 啓資
1
,
麻生 伸一
1
,
塩見 朗
1
,
今井 亮
1
Seishou Go
1
1京都第一赤十字病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Kyoto First Red Cross Hospital
キーワード:
梅毒
,
syphilis
,
癒着性くも膜炎
,
adhesive arachnoiditis
Keyword:
梅毒
,
syphilis
,
癒着性くも膜炎
,
adhesive arachnoiditis
pp.199-202
発行日 1990年2月25日
Published Date 1990/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900032
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抄録:脊柱管に多発し嚢包形成を伴った,梅毒性と考えられた胸髄癒着性くも膜炎の1例を経験したので報告した.症例は57歳男性.現病歴:昭和58年,右大腿部の筋力低下を自覚,同部の知覚鈍麻と疼痛も出現した。脊髄造影検査にて第11,12胸椎レベルでの通過障害を認め,同部の椎弓切除と癒着剥離術を行ったが,症状は徐々に増悪した.MRI検査にて第4,5胸椎レベルでの脊柱管内の嚢包様所見あり,同部の椎弓切除と嚢包の開放を行い症状の著明な改善を見た.本症例では血清と髄液の梅毒反応の陽性所見より,梅毒の関与が考えられた.梅毒性と考えられる癒着性くも膜炎に対しては責任病巣に対する手術的治療に加えて,強力な駆梅療法によって症状の再発を抑止することが大切であると考えられた.
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