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特集 癒着性くも膜炎の病態と治療法を学ぼう
脊椎脊髄損傷後の癒着性くも膜炎—外傷後脊髄空洞症の病態とS-S bypass手術
Subarachnoid-subarachnoid Bypass for Posttraumatic Syringomyelia
河野 修
1
,
林 哲生
1
,
前田 健
1
Osamu KAWANO
1
,
Tetsuo HAYASHI
1
,
Takeshi MAEDA
1
1総合せき損センター整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Spinal Injuries Center
キーワード:
外傷後脊髄空洞症
,
posttraumatic syringomyelia
,
S-Sバイパス
,
subarachnoid-subarachnoid bypass
,
脊髄癒着性くも膜炎
,
spinal adhesive arachnoiditis
Keyword:
外傷後脊髄空洞症
,
posttraumatic syringomyelia
,
S-Sバイパス
,
subarachnoid-subarachnoid bypass
,
脊髄癒着性くも膜炎
,
spinal adhesive arachnoiditis
pp.91-97
発行日 2022年6月24日
Published Date 2022/6/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201797
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はじめに
癒着性くも膜炎は,さまざまな疾患あるいは疾患に対する治療によって二次的に生じる難治性の病態である.脊椎脊髄外傷はその原因の1つであるが,その病態は外傷部に限局した癒着性くも膜炎とそれに起因する髄液還流障害によって生じる脊髄空洞症である場合が多い.脊髄損傷によってもともと存在していた脊髄障害に加えて新たに生じた脊髄症状は,ほとんどが脊髄空洞の発生および拡大によるものと考えられるので,脊椎脊髄損傷後の癒着性くも膜炎の治療イコール脊髄空洞症の治療ということになる.
本論文では,外傷後脊髄空洞症に対してわれわれが行ってきた治療の変遷を紹介し,現段階で最も効果があり第一選択と考えている,くも膜下腔-くも膜下腔バイパス(S-Sバイパス)手術について詳述する.
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