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はじめに
成人脊柱変形に対する矯正手術は,多椎間のposterior lumbar interbody fusion(PLIF)/transforaminal lumbar interbody fusion(TLIF)を用いた後方矯正術,あるいはpedicle subtraction osteotomy(PSO)やvertebral column resection(VCR)などの椎体骨切りを併用した矯正術などが主流であったが,手術侵襲が大きいことや高度な手術技術が必要であることが問題であった2,8).ところが近年,lateral interbody fusion(LIF)のもつ低侵襲性や矯正力などが注目され,成人脊柱変形に対する矯正術にも応用されるようになってきた4,10).LIFは椎体骨棘や椎間板線維輪を直接解離でき,椎体横径に及ぶ大きなケージを椎体間に挿入できるため,椎間板変性を主体とする脊柱変形の矯正には非常に有用である.また,椎間高を復元することで間接的な脊柱管・椎間孔の除圧と後方組織の離開ができるため5),軽度〜中等度の変形であれば後方は経皮的椎弓根スクリュー(percutaneous pedicle screw:PPS)を用いた矯正も可能になってきた1,7,9).一方で,変形が強くなるとLIFの難易度は上昇し,アプローチが困難な椎間も存在する.当然ながら,いつも以上に臓器損傷や血管損傷などのLIF特有の合併症にも注意が必要である.非常に硬い変形や椎体に著明な変形を有する場合には,PPSのみでの矯正が困難な症例も存在する.本稿では,成人脊柱変形に対する低侵襲化手術の適応や現時点で考えられる限界について述べる.
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