Japanese
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特集 腰部脊柱管狭窄症に対する低侵襲手術
特に残された椎間孔狭窄に対して,どのように対応すべきか
Our Strategy for Treating Lumbar Foraminal Stenosis that Causes the Last Remaining Intractable Radiculopathy
岩井 宏樹
1,2,3
,
古閑 比佐志
1,2,3
Hiroki IWAI
1,2,3
,
Hisashi KOGA
1,2,3
1岩井FESSクリニック
2岩井整形外科内科病院
3稲波脊椎関節病院
1Iwai FESS Clinic
キーワード:
腰椎椎間孔狭窄
,
lumbar foraminal stenosis
,
神経根症
,
radiculopathy
,
完全内視鏡脊椎手術
,
full-endoscopic spine surgery
,
FESS
Keyword:
腰椎椎間孔狭窄
,
lumbar foraminal stenosis
,
神経根症
,
radiculopathy
,
完全内視鏡脊椎手術
,
full-endoscopic spine surgery
,
FESS
pp.131-136
発行日 2021年2月25日
Published Date 2021/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201589
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はじめに
神経根が絞扼されて神経根症を生じるのは,脊柱管内・椎間孔・椎間孔外の解剖学的部位である.この中でも椎間孔部での狭窄は,主に骨棘などの骨性狭窄と黄色靭帯の肥厚で生じる.これはCTやMRI画像を照らし合わせて検討すると,比較的簡単に判断できる.また,椎間板変性による椎体高の減少と局所側弯もその発生に大きく寄与している.その一方で,神経根症はMRI画像上での狭窄があっても必ず生じるわけではなく,神経根の走行(分岐部の位置,横走の程度,cojoin nerveなど破格の有無)や,ガングリオンの位置やサイズ,椎間孔周囲の靭帯の状況もその発生に関与している.さらに,椎間孔が椎間関節の一部を構成していることから動的因子も大きく,症状の出現が恒常的でない症例も存在する.このように考えると,椎間孔狭窄による神経根症の病態は複雑で,その治療戦略も熟慮が必要に思われる.このような複雑さが,椎間孔狭窄がfailed back surgery syndrome(FBSS)の主だった原因の1つとなってきた理由でもある.その一方で,単純な椎間孔部での除圧が多くの腰椎椎間孔狭窄で有効なこともわれわれは経験的に知っている.本稿では,腰椎椎間孔狭窄による神経根症に対するわれわれの診断から完全内視鏡脊椎手術(full-endoscopic spine surgery:FESS)による治療までの流れを解説する.
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