Japanese
English
特集 脊髄再生を用いない脊髄損傷治療の現実と到達点
急性期頸髄損傷の手術治療
Surgical Treatment for Acute Cervical Spinal Cord Injury
千葉 泰弘
1
,
小柳 泉
1
,
水嶋 慎
1
,
今村 博幸
1
,
阿部 弘
1
Yasuhiro CHIBA
1
,
Izumi KOYANAGI
1
,
Makoto MIZUSHIMA
1
,
Hiroyuki IMAMURA
1
,
Hiroshi ABE
1
1北海道脳神経外科記念病院脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Hokkaido Neurosurgical Memorial Hospital
キーワード:
急性期頸髄損傷の手術治療
,
surgical treatment for acute cervical spinal cord injury
,
脱臼骨折
,
dislocation fracture
,
椎骨動脈閉塞
,
vertebral artery occlusion
Keyword:
急性期頸髄損傷の手術治療
,
surgical treatment for acute cervical spinal cord injury
,
脱臼骨折
,
dislocation fracture
,
椎骨動脈閉塞
,
vertebral artery occlusion
pp.479-486
発行日 2025年8月25日
Published Date 2025/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091444120380080479
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はじめに
急性期頸髄損傷は症例ごとに多様な病態が存在し,その病態に対してもさまざまな捉え方が存在する.手術治療は整形外科医と脳神経外科医である脊椎脊髄外科医が担っており,おのおのの診療科の持ち味を生かして取り込みながら発展させてきた.また,治療戦略の細かな点において施設間によっても多少の違いがあることは否めない.そのような多様性があることは,積み重ねてきた症例を省察することによってよりよい治療を構築していくための礎となるはずである.われわれの施設の主な特徴として,①重症例や不安定性の強い症例に対しては早期手術を行う,②前方損傷に対しては基本的に前方進入手術で対応する(多椎間除圧が必要な場合は後方進入手術を検討),③脱臼整復は観血的前方進入法で行う,④椎骨動脈閉塞症例に対して予防的塞栓術は行わない,などが挙げられる.本稿では,当院の治療戦略や治療成績の結果も交えながら,急性期頸髄損傷の手術治療の現状について論じる.

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