Nomade
顔の記憶は不必要か
畑中 裕己
1
1帝京大学脳神経内科
pp.609-610
発行日 2020年6月25日
Published Date 2020/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201434
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本日2020年5月11日現在も,Covid-19で全産業が大きなダメージを負っている.当院の脊椎外科の先生も待機手術はすべて延期となり,コロナウイルス疑い患者の3次救急対応に動員され,脳神経内科の若手もコロナ対策病棟に交代で徴用されている.外来対応者はゴーグルを装着し,念のために行う除外診断目的の画像検査,超音波検査,筋電図,脳波検査は,極力すべて省略し,ダイレクトな勝負が要求されている.
一般的な自然災害時は,自分のできる範囲の援助,特に脳神経内科は後方支援の仕事が多く,そうしたときこそ自分の身辺を固め,仕事をしっかりするというのが勤務医の立場であったが,今回の世界的危機に直面して,院内感染対策,学会・研修会・専門医試験の延期・中止手続き,入院患者・外来患者の感染対策,教育施設・大学であれば学生の教育環境確保に迫られている.公開収録で東村山音頭を拝見していた小生の中で何かの変調が生じ瓦礫が落ちた感触があったのは,オリンピックの延長も決まった3月末のことである.
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