アンケート・14
記憶について
高橋 秀俊
1
,
吉井 直三郎
2
,
南雲 仁一
3
,
永田 豊
4
,
吉田 博
5
1東大理学部物理学教室
2阪大生理学教室
3東大工学部計数工学教室
4慶応大生理学教室
5阪大薬理学教室
pp.101-104
発行日 1967年4月15日
Published Date 1967/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425902722
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生物学に残された最大の難問の一つは,脳の機能の解明にあると思いますが,その中でも記憶,学習についての生理学的あるいは生化学的研究はすでに始まりつつあるようです。これらの研究はまだ始まつたばかりで,その解明までにはほど遠いように思われますが,一方"遺伝的情報"の処理について過去四半世紀の間に得られた理解の進歩を思い浮べるならば"精神的情報"の処理についてもまもなく色々なことがわかつてくるのではないかという気もします。そこで記憶について次のような点に関し,この間題に造詣の深い方々のご意見,見通しなどを伺つてみました。
1.記憶という機能が,脳の特定の部位に局在しているとお考えでしよう か。それとも脳全体の綜合的機能と考えた方がよいのでしようか。
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