Japanese
English
イラストレイテッド・サージェリー 手術編Ⅱ-115
頸椎paravertebral foramen screw
Paravertebral Foramen Screw of Cervical Spine
國府田 正雄
1
Masao KODA
1
1筑波大学医学医療系整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Faculty of Medicine, Tsukuba University
pp.611-615
発行日 2020年6月25日
Published Date 2020/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201435
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
頸椎paravertebral foramen screw(PVFS)はAramomiらが開発した頸椎後方固定のスクリュー刺入法で1),非常に簡便・安全で応用範囲の広い方法である.若干のコツや落とし穴なども含め概説したい.
適応疾患
頸椎後方固定を行う疾患すべてが適応となり得るのは,従来のスクリュー刺入法同様であり,特異的な適応や禁忌はない.特に有用と思われるのは,長範囲固定の際のC6アンカーや外側塊スクリュー刺入の際の外側壁損傷のsalvageとしての適応である.すなわち,C6はC5外側塊スクリューとC7椎弓根スクリューの間でスぺースが不足し外側塊スクリューの刺入がしばしば困難となるが,PVFSは刺入点の位置がC5外側塊スクリューとC7椎弓根スクリューのちょうど中間になるので,刺入・ロッド連結とも容易である.また,スクリュー軌道の違いから外側塊スクリュー刺入時の外側塊外壁損傷の際のsalvageとして利用できる.
長範囲固定の頭・尾側端には極力用いないようにしている.後頭骨頸椎固定の尾側端アンカーとしてPVFSを用いたところ術後早期に脱転し再手術を要した例を経験している.Biomechanical studyによれば刺入トルクは外側塊スクリュー以上であるが,先端部分が骨皮質に噛み込んで固定性を得ている原理からすると,少しスクリューが抜けてくると固定性が一気に弱まる危険性があるのではないかと推測している.
Copyright © 2020, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.