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特集 心因性疾患(変換症/転換性障害;ヒステリー)の現在
ヒステリー性筋力低下(機能性筋力低下)の診断
Diagnosis of Hysterical(Functional)Weakness
園生 雅弘
1
Masahiro SONOO
1
1帝京大学脳神経内科
1Department of Neurology, Teikyo University School of Medicine
キーワード:
ヒステリー性麻痺
,
hysterical paralysis
,
機能性筋力低下
,
functional weakness
,
陽性徴候
,
positive sign
Keyword:
ヒステリー性麻痺
,
hysterical paralysis
,
機能性筋力低下
,
functional weakness
,
陽性徴候
,
positive sign
pp.183-189
発行日 2020年3月25日
Published Date 2020/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201326
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ヒステリーの診断はいかに行うべきか?
神経学の祖Charcotが晩年ヒステリーと催眠についての研究にのめり込み,彼の弟子であったBabinskiがヒステリー性麻痺と器質性の麻痺の鑑別方法としてBabinski徴候を見出し,神経症候学における最大の金字塔となったという事実は,神経学においてヒステリーに特別な位置づけを与えるものである.別の総説でも述べてきたが19,20,22,23,25),ヒステリーをいかに診断するかということは,Babinski以来の課題であり,Babinskiやその後の多くの真摯なneurologistは,共通して下記の見解を示してきた.
すなわち,ヒステリーの診断とは,①しばしばそう誤って信じられがちだが,除外診断によってなされるべきではない.②精神医学的症候や状況からの類推によってなされるべきでもない.③器質的疾患では説明できない神経学的徴候,すなわちヒステリーの陽性徴候によって診断されるべきである2,10,12,26,28).
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