Japanese
English
特集 頸椎症性脊髄症に対する手術治療戦略
棘突起縦割法頸椎椎弓形成術
Double Door Laminoplasty
星地 亜都司
1
,
川崎 洋介
1
Atsushi SEICHI
1
,
Yosuke KAWASAKI
1
1社会福祉法人三井記念病院整形外科
1Department of Orthopedics, Mitsui Memorial Hospital
キーワード:
頸椎症性脊髄症
,
cervical spondylotic myelopathy
,
手術方法
,
surgical technique
,
椎弓形成術
,
laminoplasty
Keyword:
頸椎症性脊髄症
,
cervical spondylotic myelopathy
,
手術方法
,
surgical technique
,
椎弓形成術
,
laminoplasty
pp.983-988
発行日 2019年11月25日
Published Date 2019/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201249
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本術式の概要
棘突起縦割法頸椎椎弓形成術は,椎弓を切除することなく,棘突起・椎弓を正中で観音開きにして,脊柱管を広範囲に拡大することで頸髄の圧迫の解除を行う手術である3).世の流れが内視鏡手術のような最小侵襲という方向に傾いてきたことも背景となり,選択的椎弓切除術10),軸椎(第2頸椎)と隆椎(第7頸椎)に付着する深部筋群の温存などが術後の軸性疼痛軽減,頸椎アライメント維持に有用であるとする報告がなされてきている5).しかし,それらの術式には適応症例にグレーゾーンがあるという問題があり,いまだに椎弓両開きの黒川法と片開きの平林法がスタンダードである2,4,6).棘突起縦割法椎弓形成術(黒川法)が紙上発表されてから37年の月日が流れた3).開発者である故・黒川髙秀東京大学名誉教授は,項靭帯の頭尾側方向への連続性の温存,C2に付着する筋群の温存へのこだわりなどを,手術に参加できた最後の世代の1人である筆者にも伝えようとした.この考え方を踏襲しつつ現在に至っている.筆者が行っている術式は黒川の方法を継ぐものであり,術式の原則に大きな変更を加えてはいないが(というより斬新な方法を思いつかない),手術用顕微鏡を用いた手術を行っている.
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