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特集 傍脊柱筋の機能解剖学,姿勢制御と手術アプローチ
第2章 局所解剖と手術アプローチ
頸椎後方の局所解剖とアプローチ—筋層構築的棘突起椎弓形成術
Surgical Anatomy and Approach for Cervical Spine, Myoarchitectonic Spinolaminoplasty
村田 英俊
1
Hidetoshi MURATA
1
1横浜市立大学大学院医学研究科脳神経外科学
1Department of Neurosurgery, Yokohama City University Graduate School of Medical Sciences and School of Medicine
キーワード:
頸椎
,
cervical spine
,
外科解剖
,
surgical anatomy
,
椎弓形成術
,
laminoplasty
Keyword:
頸椎
,
cervical spine
,
外科解剖
,
surgical anatomy
,
椎弓形成術
,
laminoplasty
pp.325-332
発行日 2019年4月25日
Published Date 2019/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201099
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はじめに
頸椎後方手術において,骨性要素のみの再建からなる古典的な椎弓形成術は,椎弓切除に比べてその優位性は懐疑的とされる6).確かに,後頸筋群の働きが再建された脊椎骨格に伝達されないかぎり,骨性要素の椎弓のみの再建では,椎弓,すなわち脊柱管の「屋根」の有無のみであり,機能的には椎弓切除と大きな変わりはないといえる.骨から筋層を切り離し,作用点を失った筋肉は,萎縮し,その断端は瘢痕化する8).運動器としての十分な機能を発揮させるためには,動力となる筋肉と作用点となる骨性構造との接合を温存あるいは再建する必要がある.頸椎手術のためには,頸椎の筋層と骨格構造を理解すること,そしてその機能を理解し,それらの温存,再建をいかに適切に行うかが鍵となる.
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