Japanese
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特集 神経生理検査—脊椎脊髄疾患とその鑑別疾患への応用
体性感覚誘発電位(SEP)—感覚障害の局在診断
Somatosensory Evoked Potential(SEP): Localization of Sensory Disturbance
宮地 洋輔
1,2
,
園生 雅弘
2
Yosuke MIYAJI
1,2
,
Masahiro SONOO
2
1横浜市立大学脳神経内科・脳卒中科
2帝京大学神経内科
1Department of Neurology and Stroke Medicine, Yokohama City University Graduate School of Medicine
キーワード:
体性感覚誘発電位
,
somatosensory evoked potential
,
正中神経
,
median nerve
,
脛骨神経
,
tibial nerve
Keyword:
体性感覚誘発電位
,
somatosensory evoked potential
,
正中神経
,
median nerve
,
脛骨神経
,
tibial nerve
pp.547-553
発行日 2019年5月25日
Published Date 2019/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201141
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はじめに
体性感覚誘発電位(somatosensory evoked potential:SEP)は,体性感覚に与えられた刺激に対する電気的な反応が,感覚伝導路を経て大脳皮質まで伝わる過程で生じるさまざまな電位を,加算平均法を用いて記録したものである.脊椎脊髄疾患の病巣の局在や病態の診断において圧倒的に普及している画像検査に対してSEPのもつ意義は,機能を評価する検査であるという点だろう.MRIでは無症候性の脊椎脊髄病変が特に高齢者ではしばしばみられ得る一方で,たとえば頸椎症と考えられる例でもMRIでの異常が捉えられないものも存在する.そういった場合に別の角度から診断を補助する検査として,SEPには一定の役割があるだろう.しかし,SEPを日常的に用いていない脊椎脊髄疾患診療医も多いと思われる.
本稿では,今回の特集の趣旨として,SEPがより広く実施されるようになることを期待し,初心者に向けてわれわれが行っているSEPの実際の手順やコツを中心に紹介し,解釈や臨床応用についても多少解説する.
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