Japanese
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特集 神経生理検査—脊椎脊髄疾患とその鑑別疾患への応用
神経伝導検査—神経叢疾患との鑑別のために
Nerve Conduction Study: To Make a Differencial Diagnosis of Plexopathy
関口 兼司
1
Kenji SEKIGUCHI
1
1神戸大学大学院医学研究科脳神経内科
1Division of Neurology, Kobe University Graduate School of Medicine
キーワード:
神経伝導検査
,
nerve conduction study
,
神経叢障害
,
plexopathy
,
感覚神経活動電位
,
sensory nerve action potential
Keyword:
神経伝導検査
,
nerve conduction study
,
神経叢障害
,
plexopathy
,
感覚神経活動電位
,
sensory nerve action potential
pp.501-507
発行日 2019年5月25日
Published Date 2019/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201134
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はじめに
脊椎症や神経根障害を示す患者は四肢の運動感覚障害をきたすため,常に末梢神経障害が鑑別診断として挙がってくる.むしろ,症状の原因である末梢神経障害が診断されずに,無症候性で併存している変形性脊椎疾患に対して治療が考慮されることは珍しくなく,医療者と患者の双方に対して問題となっている.末梢神経障害の診断補助のgold standardは神経伝導検査であるが,その診断手順の中で最も複雑な障害が,神経叢障害である.症状が神経学的には単一の末梢神経の障害では説明がつかず,単一の神経根障害であっても矛盾が生じる.そういった場合に,腕神経叢や腰仙骨神経叢が責任病巣の候補となってくる.神経叢障害を裏づける診断補助として容易で有用なものはないが,まず手始めに行うべき検査が神経伝導検査である.意外な印象をもたれる諸氏も少なからずいると予測されるが,その理由と有用性について以下に述べる.
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