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Spine & Spinal Cord Volume 32, Issue 5 （May 2019）

脊椎脊髄ジャーナル 32巻5号（2019年5月発行）

Japanese English

特集神経生理検査—脊椎脊髄疾患とその鑑別疾患への応用

上肢神経伝導検査の実際—末梢神経疾患と頸椎疾患の鑑別への応用のポイント Practical Nerve Conduction Studies for Upper Arm and Tips of Differential Diagnosis 長谷川和重 ¹ Kazushige HASEGAWA ¹ ¹仙塩利府病院整形外科・手外科センター ¹Department of Orthopedic and Hand Surgery, Sen-en Rifu Hospital キーワード：鑑別診断 , differential diagnosis , 絞扼性神経障害 , entrapment neuropathy , 神経伝導検査 , nerve conduction study Keyword: 鑑別診断 , differential diagnosis , 絞扼性神経障害 , entrapment neuropathy , 神経伝導検査 , nerve conduction study pp.509-517

発行日 2019年5月25日 Published Date 2019/5/25

DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201135

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はじめに

　筆者は整形外科医・手の外科医として日々の臨床を行う一方，末梢神経疾患と脊椎疾患の鑑別診断を臨床テーマの1つに掲げ，診断に必要な神経伝導検査（nerve conduction study：NCS）にも取り組んできた^2）．整形外科で扱う上肢の末梢神経疾患は，外傷例を除けば，手根管症候群（carpal tunnel syndrome：CTS），肘部管症候群（cubital tunnel syndrome：CuTS）が大部分を占める．まず臨床所見からCTSやCuTSであることを臨床診断し，神経伝導検査でそれを確定する流れが原則である．一方，頻度は多くないものの，CTSやCuTS以外の末梢神経疾患は，整形外科的ではないものも含めて多数存在する．本稿では，筆者がNCSをどのように行っているかを示し，整形外科として頻度の多い上肢末梢神経障害と頸椎疾患との鑑別のポイントについて述べる．