神経伝導検査—運動・感覚障害の初期評価手段として

Nerve Conduction Study: As an Initial Evaluation Tool for Motor and Sensory Disturbance

はじめに

　神経伝導検査（nerve conduction study：NCS）は，末梢神経障害（ニューロパチー）の評価のために行う検査であると通常思われているかもしれない．しかし，NCSはニューロパチー患者に行うだけではない．患者が運動障害（筋力低下）や感覚障害（感覚低下）を訴えていて，その責任病巣がどこにあるかが確定していない場合，責任病巣を絞り込んでいくための最初の評価手法としてNCSは大変有用である^5）．本稿では，運動・感覚障害の初期評価手段としてNCSをどのように用いるかについて述べる．