Japanese
English
特集 上位頸椎疾患に対するアプローチ—病態・診断・治療
上位頸髄の腫瘍
Spinal Cord Tumors of the Craniovertebral Junction
金 彪
1
,
黒川 龍
1
,
新郷 哲郎
1
,
糸岐 一茂
2
Phyo KIM
1
,
Ryu KUROKAWA
1
,
Tetsuro SHINGO
1
,
Kazushige ITOKI
2
1獨協医科大学脳神経外科
2宇都宮脳脊髄センター
1Department of Neurosurgery, Dokkyo Medical University
キーワード:
上位頸髄髄内腫瘍
,
intramedullary tumor of C1,C2
,
上位頸髄髄外腫瘍
,
extramedullary tumor of C1,C2
,
上位頸髄の神経機能解剖
,
functional neuroanatomy of C1,C2
Keyword:
上位頸髄髄内腫瘍
,
intramedullary tumor of C1,C2
,
上位頸髄髄外腫瘍
,
extramedullary tumor of C1,C2
,
上位頸髄の神経機能解剖
,
functional neuroanatomy of C1,C2
pp.185-199
発行日 2019年3月25日
Published Date 2019/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201071
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はじめに
脊髄腫瘍の分布が,長さに関連して胸髄レベルに多いことが一般的知識である.髄内ならびに髄外(硬膜内)腫瘍が上位頸髄に起こることは少ないと一般的には記載されているが6),実際には意外に多い.筆者の経験のシリーズでは,髄内腫瘍325件のうちの40件(12%)がC1,C2のレベルに発生したものであり,硬膜内髄外腫瘍313例のうち46例(15%)がC1ならびにC2の高位の腫瘍であった.本稿では,髄内腫瘍ならびに髄外腫瘍(神経鞘腫,髄膜腫)について,この部位における神経機能解剖学的特殊性,あるいは血管解剖との関連で注意すべきこと,腫瘍の特徴的な発育パターン,アプローチの選択,手術施行上の注意などについて解説する.ほかの脊椎脊髄レベルと同様,上位頸椎にも解剖上の特色があり,また脊髄の神経機能解剖的な特色もあり,外科医として腫瘍を扱うためには知っていることが必要である.
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