Nomade
黄金の左足
今井 富裕
1
1札幌医科大学保健医療学部大学院末梢神経筋障害学
pp.609-610
発行日 2018年7月25日
Published Date 2018/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200908
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「黄金の左」をインターネットで検索すると,最上位に往年の名横綱輪島が出てきます.たしかに輪島の左下手投げは魅力的でしたが,テレビで見ていた当時の私は,すぐに伸びてしまう金色の廻しのほうが気になっていました.最近の「黄金の左手」としては,ドラフト会議でくじ運のよい日本ハムファイターズの木田優夫GMの左手が有名です.元WBC世界バンタム級チャンピオンの山中慎介選手の“神の左”も凄かった.しかし,今日の主役は足です.「黄金の左足」を同じように検索すると,ずらっとサッカー選手が出てきます.アルゼンチンのディエゴ・マラドーナ,リオネル・メッシ,ブラジルのロベルト・カルロス,ロベルト・リベリーノ,リバウド,日本なら中村俊輔.最近,私はしばしば自身の左足を冗談で「黄金の左足」と紹介しています.
現在,私の左足は通常よりも性能が落ちています.腰椎椎間板ヘルニアによるL5神経根障害のためです.発症からもう少しで3年が経過します.ススキノで発症しました.もともと腰痛持ちだったのですが,2015年7月2日まで下肢の症状はまったくありませんでした.その日は札幌で学術講演会があり,夜に演者の先生方を誘ってススキノに繰り出しました.左足,正確にいうと,お尻から左足の異変に気づいたのは,二次会後に皆で夜のススキノを闊歩しているときです.なんとなく左の殿部から下がカクンカクンしていました.歩行中に骨盤が安定しない感じです.翌日は朝から勤務だったのですが,左足が不完全な下垂足になっていました.でも,まったく痛くありませんでした.「講義に使える」と大喜びして,鶏歩の動画を何度も撮りました.
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