特集 皮膚真菌症(7)
臨床例
左足関節内踝部に生じた皮膚固定型スポロトリコーシス
木村 有太子
1
,
今 泰子
,
伊勢 友加里
,
高森 建二
,
佐野 文子
,
比留間 政太郎
,
須賀 康
1順天堂大学医学部附属浦安病院 皮膚科
キーワード:
スポロトリクム症
,
温熱療法
,
足関節
,
皮膚疾患-足部
Keyword:
Ankle Joint
,
Foot Dermatoses
,
Hyperthermia, Induced
,
Sporotrichosis
pp.1069-1072
発行日 2013年11月1日
Published Date 2013/11/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2014102888
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<症例のポイント>スポロトリコーシスは、Sporothrix schenckii(以下、S.schenckii)を原因菌とするわが国の代表的な深在性皮膚真菌症である。小さな外傷をきっかけとして菌が侵入し、紅斑、潰瘍、びらん、結節などさまざまな臨床像を示す。自験例は透析患者の左足関節内踝部の難治性皮膚潰瘍として受診した。スポロトリキン反応陽性、組織中にPAS陽性の菌を認め、培養でS.schenckiiを分離同定した。自験例は局所温熱療法による単独治療を行った。他の療法と比較して簡単に実施することが可能で、カイロによる低温熱傷に留意さえすれば大きな副作用はない。スポロトリコーシスは近年では報告数が減少しており、まれな疾患となりつつあるが、難治性の皮疹を診察したときの重要な鑑別疾患として引き続き注意が必要である。
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