総合診療医直伝! 糖尿病患者の救急外来診療ABC・1【新連載】
左足の発赤・腫脹+意識障害で救急搬送された70代女性
徳田 安春
1
1地域医療機能推進機構(JCHO)本部
pp.64-66
発行日 2016年1月15日
Published Date 2016/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415200333
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症例
70代,女性.数年前より糖尿病で通院中.数カ月前より左足第三趾に慢性壊疽あり.今回は数日前より左足の発赤・腫脹・疼痛あり.今朝より悪寒戦慄あり,その後に傾眠傾向となったところを家族が見つけて救急搬送となる.
病院到着時のバイタルサインは,血圧90/60mmHg,脈拍140/分・整,呼吸数36/分(深い呼吸),体温36.5℃.SpO2は98%(室内空気).意識レベルはJapan Coma ScaleでⅠ-1(傾眠).頸静脈は虚脱.
全身外観は不良で顔面は蒼白.頭頸部,胸部,腹部,腰背部に明らかな異常を認めなかったが,左足第三趾の慢性壊疽に加えて,左足の足背部を中心に,発赤,腫脹,熱感,水疱および圧痛あり(図1).検査では血糖160mg/dL,WBC 9,000/mm3,乳酸27mg/dL(3mmol/L)と軽度上昇あり.
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