Japanese
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特集 悪性脊椎脊髄腫瘍に対する治療
転移性脊椎腫瘍に対する脊椎外科治療
Surgical Treatments for Metastatic Spinal Tumors
尾原 裕康
1
,
水野 順一
1
Yukoh OHARA
1
,
Junichi MIZUNO
1
1新百合ヶ丘総合病院脊椎脊髄末梢神経外科
1Department of Spine and Peripheral Nerve Surgery, Shin-Yurigaoka General Hospital
キーワード:
転移性脊椎腫瘍(metastatic spinal tumor)
,
手術療法(surgical treatments)
,
低侵襲手術(minimally invasive surgery)
Keyword:
転移性脊椎腫瘍(metastatic spinal tumor)
,
手術療法(surgical treatments)
,
低侵襲手術(minimally invasive surgery)
pp.666-671
発行日 2017年7月25日
Published Date 2017/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200666
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はじめに
がん治療の発達に伴い,がん転移に対して治療を行う機会が増加している.骨転移に関する正確なデータはないが,剖検,autopsy imagingなどから類推すると,ほぼ日常的疾患といえるほどの症例数が見込まれるとされる14).特に脊椎は造血髄に富み静脈叢が発達していることから骨転移が生じやすく9),骨転移の39〜50%が脊椎転移であると報告されている6,13).近年では積極的な根治術も考えられるようになってきているが,依然外科治療のみで根治に至るのは困難な病態である.脊椎転移により脊髄圧迫をきたす頻度は全がん患者の5〜10%に及び10),生活の質(QOL)を極端に下げる原因になり得る6).したがって,罹病期間のQOLを維持するための手術治療が必要になる.本稿では,転移性脊椎腫瘍治療のうち,局所根治が期待できる脊椎全摘出術を除く脊椎外科治療について述べる.
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