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特集 悪性脊椎脊髄腫瘍に対する治療
原発性悪性脊椎脊髄腫瘍に対する放射線治療
Radiotherapy for Malignant Spinal Cord Tumor
鬼丸 力也
1
,
森 崇
2
,
加藤 徳雄
2
,
関 俊隆
3
,
白土 博樹
1
Rikiya ONIMARU
1
,
Takashi MORI
2
,
Norio KATO
2
,
Toshitaka SEKI
3
,
Hiroki SHIRATO
1
1北海道大学大学院医学研究院内科系放射線科学分野放射線医学教室
2北海道大学病院放射線治療科
3北海道大学病院脳神経外科
1Department of Radiation Medicine, Hokkaido University Graduate School of Medicine
キーワード:
脊髄腫瘍(spinal cord tumor)
,
耐容線量(tolerance dose)
,
放射線治療(radiotherapy)
Keyword:
脊髄腫瘍(spinal cord tumor)
,
耐容線量(tolerance dose)
,
放射線治療(radiotherapy)
pp.673-676
発行日 2017年7月25日
Published Date 2017/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200667
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はじめに
悪性腫瘍からの転移性脊椎腫瘍は頻度の高い疾患であり,その加療において放射線治療は重要な役割を担っている.また,脊髄圧迫による神経症状が出現している場合にはoncologic emergencyとして放射線治療医にも迅速な対応が求められる疾患である.
原発性悪性脊椎腫瘍は骨軟部腫瘍として加療されることが多く,脊椎以外の骨軟部で発生した同じ組織型の腫瘍と治療方針に違いはない.放射線治療を行う場合は脊髄や腎臓といった正常臓器の耐容線量が問題となり,高線量を照射する場合には照射方法に工夫を必要とすることがある.
一方,原発性悪性脊髄腫瘍は頻度が低いことから,症例を経験した放射線治療医は多くはないと思われる.当施設では脳神経外科が脊髄疾患を積極的に加療していることもあり,他施設と比較すると原発性脊髄腫瘍の放射線治療経験が多少はあるのではないかと思う.
本稿では,転移性脊椎腫瘍に対する放射線治療については他書に譲り,原発性悪性脊椎腫瘍および原発性悪性脊髄腫瘍の放射線治療の際に注意すべき正常臓器,特に脊髄の耐容線量に関する事項と,原発性悪性脊髄腫瘍に対する諸家の報告および当施設の経験を述べる.
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